家族とは何であるのか
身内が病に倒れ、
2日間のほとんどを病院で過ごしました。
大きな病気もなく、
ドライな家庭で育ってきた私にとって、
手術中の重苦しい空気や、
涙を流して回復を喜ぶ人の姿を
目の当たりにするのは初めてのことでした。
立っていられないほどの悲しみや、
殺したいほどの憎しみを抱いてなお、
人が家族の繋がりを求めるのは何故なのか。
こんな思いをするくらいならひとりで生きる、
と何度も誓うのに、
顔を合わせただけで安心して泣いてしまうのは
何故なのか。
それは支え合って生きる美点なのか、
繋がらないと生きられない弱さなのか。
そして、
夫婦とは、親子とは、家族とは一体何であるのか。
そんなことを、目まぐるしく考えました。
極度の緊張状態の中で、
自分の内面の暗い部分も自覚しました。
自分の育ってきた家庭の価値観が
根底から揺らぐような感覚も味わいました。
けれど、自分の心も、育った家も、
もはや自分で守らなければいけない。
たくましく、したたかに生きねばと思いました。
家族とは何か。
答えのない問に屈せず、生き切ることができるか、
今は少し自信がないような気もします。