2019-01-18 幸せと不幸せ 太宰治「ヴィヨンの妻」。 放蕩人の夫をもつ妻が語る短編。 Amazonのブックレビューには、 「家庭のエゴイズムを憎悪しつつ、 新しい家庭への夢を文学へと完璧に昇華させた」 作品とある。 印象的だったのは、男女の幸せについて 語られたことば。 「女には、幸福も不幸もないものです」 「男には、不幸だけがあるんです。 いつも恐怖と戦ってばかりいるのです」 これ、すごく的を射ていると思いました。 女は、幸せも不幸せも飛び越えた場所で、 只々現実を生きる。 男は、幸せに希望を持つせいで、不幸を感じる。 リアリストとロマンチスト。 男女の本質的な性差について考えた作品でした。