これぞ文学!
村田沙耶香「消滅世界」。
物語の設定が肝なので、あらすじは割愛。
かなり衝撃的な内容です…
神聖なはずの胎児を「巨大な寄生虫」のようだと
言ってしまう感性、潔さ。
どんな環境で育って、何をインプットにしたら
こんな作品が生まれるんだろう。
読後感を率直に表すとするなら、「えぐい」です。
でも、何故えぐいと思ったのか?
そう感じる私が何かに囚われているのではないか?
そして、私たちの生きる世界は、
確実にこの物語の世界に向かってはいないか?
彼女の作品を読んでいくと、
自分がどんどん客体化していくような
感覚に陥ります。
「常識を疑え」などという世間一般の謳い文句の
なんと生ぬるいことか!!
これぞ文学、という思いです。