はるまきパンダの徒然日記

日々の暮らしに彩りを。

チョコレートコスモス

恩田陸チョコレートコスモス」。

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あらすじはAmazonより。

芝居の面白さには果てがない。

一生かけても味わい尽くせない。

華やかなオーラを身にまとい、

天才の名をほしいままにする響子。

大学で芝居を始めたばかりの

華奢で地味な少女、飛鳥。

二人の女優が挑んだのは、

伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く

異色のオーディションだった。

これは戦いなのだ。

知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに

何があるのかを―。

少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう!

興奮と感動の演劇ロマン。

 

蜜蜂と遠雷」の時にも思いましたが、

この人は人間の表現欲求とか、芸術への渇望とか、

そういうのを書くのが上手いなぁと感じます。

例えば。

 

こうまでして、時代を超えて、労力をかけて

こういうものを行わねばならぬという

何ものかの意志。

虚構の世界を、人間に演じさせる何かの存在。

そう身体の中で

言葉にしたわけではないけれど、

彼女は舞台の奥の、登場人物の向こう側に広がる

果てしない闇のようなものを

確かに感じ取ったのだ。

 

うーん…すごくリアルです。

本人も芸事を習っていたりしたのでしょうか?

 

ひたすらオーディションの場面が続く物語なので、

超ドラマチックな展開こそないものの、

リアルな心理描写で熱く読める作品でした。